2024.10.16
設計事務所の選び方:7つのポイント
素敵な家の写真やインテリアの記事を目にする機会も増え、近年、建築家が私たちの暮らしにより身近な存在になっていることを感じます。建築家との家づくりに興味がある人も増えているのではないでしょうか。
一方で、建築家とはどういう人たちなのかまだよくわからない、どのように建築家を選べば良いのか悩んでいる、との声もよく耳にします。
このページでは、数多くの建築家からどのように自分たちにピッタリの建築家を見つけていけば良いのか、建築家の選び方についてポイントや参考例をご紹介します。
まずは建築家に会ってみる

実際に話をしてみると、要望を丁寧にヒアリングしてくれる建築家、ぐいぐい引っ張っていってくれるタイプの建築家など様々なタイプの建築家がいます。
人と人とのやりとりなので、もちろん合う・合わないといった感覚的な印象も大切な判断要素になります。
また建築家と話をする中で、その人にどの程度の経験値があるのかということも分かってきます。
建築家に会うのに費用はかからないので、気軽にいろんな建築家と会って話し相性を確認することをおすすめします。設計事務所にいきなり直接連絡をするハードルが高いことも多いと思うので、そのような時は タイテルの一級建築士にまずは相談 をすれば、あなたに合いそうな気軽に話せる建築家(設計事務所)を紹介してもらうことができます。
オープンに話せる人を選ぶ

家づくりはただ「家」という箱を作るだけではなく、「暮らしのデザイン」です。自分たちのライフスタイル、好きなものや嫌いなもの、理想の暮らし方と現実のギャップ、苦手な家事や片付けの仕方、お金のことなど腹を割って話せる関係性づくりがとても大切になってきます。ヒアリングの際には色々なことを細かく聞かれるかもしれませんが、ありのままを伝えることでより的確な解決策やアイディアを提案してくれます。
また、気になったことや意見・要望は遠慮せずに伝えましょう。建て主と同じ目線で、フラットにコミュニケーションを取れる建築家を見つけることが、スムーズな家づくりの鍵となります。
作風・デザインから選ぶ
雑誌や建築家のポートフォリオ(過去の事例集)を見て、好きな作品から建築家を選ぶというのも一つの方法です。その際には、「どこに魅力を感じたのか」ということを明確にしておくと、建築家に要望を伝えるときにも役立ちます。
作品を見るポイントとしては、「全体の世界観」「ストーリー」「空間構成」「素材使い」「間取り」「細部のデザイン」など様々ですが、細かい部分は要望次第で柔軟に変えられるので、建築家のデザイン傾向や考え方に共感するといった点も大切な決め手になるかと思います。
例えば、環境に配慮した家づくりをしている、その地域に根付いた素材を使っている、地形や周辺環境との調和を大切にしている、家事動線に配慮し暮らしやすい工夫がされている、など建築家のベースの考え方と建て主の希望がマッチしていれば、よりその建築家への信頼度が増すことでしょう。
あまり難しく考える必要もなく、純粋に「この作品のテイストが好き」「作品説明が面白い」というところを入り口にしても問題ありません。
過去の実績から選ぶ
基本的には、建築家は建て主の希望に合わせて設計をするので、依頼する建築家にあなたの希望を伝えればそれをプランに反映する方向で検討してくれます。しかし、中には珍しい希望があったり強いこだわりがあったりすることもあるかもしれません。そのような場合に、同じような要望を取り入れた住宅を設計したことのある建築家や設計事務所に依頼するのもひとつの選び方です。
例えば、自分の仕事にぴったり合わせたこだわりの仕事部屋を作りたい、料理教室を開くために広いキッチンと調理スペースをつくりたい、海辺の家でサーフィンを楽しむために・雪山の近くの家でスキーを楽しむために用具の収納や洗い場の導線を工夫したい、身体的な不自由があり昇降機やエレベーターを備えたい、など建て主の要望は様々です。基本的にはどの建築家も豊富な知識と経験であなたに合わせた設計で要望を叶えてくれますが、少し変わった希望がある場合は、過去に同じような設計をしたことがある建築家に依頼をすると、より安心して家づくりを進められることもあるかもしれません。
初期提案のアイディアから選ぶ
複数の建築家から初期提案をもらって、その中から一人を選ぶという方法もあります。専門家ではない人では到底思いつかないような素敵なアイディアを建築家は提案してくれますし、それぞれの建築家の考え方や個性を見ることもできるでしょう。
ただし、複数の建築家から初期提案を受ける場合には費用がかかるケースがほとんどです。なぜなら、そのアイディアこそが家づくりの肝であり、建築家の腕の見せ所でもあるからです。提案ひとつをつくるのにも建築家は何週間も真剣に考え抜き、提案するときの資料を作成するのにも大変な労力と想いが込められています。
初期提案の費用については、事前に建築家や専門家に相談しておくことをおすすめします。費用がかかっても建築家選びに妥協したくない、という方にはピッタリな選び方でです。
地域から選ぶ
ほとんどの場合は、依頼する建築家の拠点を気にする必要はありません。オンラインのミーティングもスムーズに行える環境が整ってきていますし、建て主の要望に合わせて足を運んでくれる建築家も多いため、基本的には建築家選びの際に地域で絞る必要はありません。
しかし、一部のケースでは拠点も重要視しなければいけないこともあるかもしれません。例えば、自分が普段は住んでいない地域で建てる別荘地の現場監理をきめ細かくお願いしたい であったり、寒冷地・熱帯地・海沿いでの対策など地域特有のものを現地を知り尽くした建築家・設計事務所にお願いしたいなど、地域を考えた建築家の探し方・選び方もなくはありません。ほとんどの場合問題になることはありませんが、あなたの希望や状況に合わせて、必要な場合は設計事務所の拠点も踏まえて検討してみてください。
建築家選びの専門家に相談する
今や雑誌やインターネットの情報を元に、一般の方でもたくさんの作品事例や建築家に出会えるきっかけは増えています。一方、これまで説明してきたポイントを踏まえつつ、たくさんの情報の中から相性の良い建築家を自力で探すとなると、かなりの時間と労力が必要になってきます。特に、過去の作品やプロフィールからだけでは建築家の人柄や雰囲気までは理解しきれないこともあるでしょう。
また、きちんと建築家と話をしないまま自分の思い込みのもとで建築家を選んでしまい、設計や工事が始まってから思い違いやトラブルが発生してしまってはいけません。
一生に一度かもしれない家づくりにおいて、建築家選びは最も大切な要素です。トラブルなく、自分の希望通りの家づくりを楽しむためにもぜひ 一級建築士への相談 を活用してみてください